スタッフ1号です。今回は、先日竣工したばかりの介護保険を一部利用した浴室の改修工事を紹介します。
ご存知の方ばかりではありませんので、ここで介護保険の住宅改修について触れておきます。要介護・要支援の介護認定を受けておられ、なおかつ住宅改修により在宅で少しでも安心・快適な生活・また自立ができることと、介護をされるご家族の負担が軽減されることが目的である場合において20万円(1割自己負担)までが介護保険により支給されます。20万円までなら分けて工事もできます。(数年前までは金額に関係なく1回のみ)
この申請書を作成するには資格が必要となります。(正確には理由書といいますが、なぜ住宅改修が必要なのか、また住宅改修によりご本人様やご家族にどのようなメリットがあるのかというのを書類として作成する資格です。)直接ご本人様やご家族の方では申請ができません。その資格はケアマネージャー・理学療法士・作業療法士・福祉住環境コーディネーター2級以上の専門職です。弊社は福祉住環境コーディネーター2級の資格がありますので、理由書を作成し改修箇所の図面や着工前の写真、工事見積書をそろえて地域の介護保険課へ出向き申請をすることで、問題がなければ数日後に決定通知書がご本人様に届きます。決定通知書を確認し、その後住宅改修着工となります。
また、市町村の助成制度もあり100万円までの助成金が支給されます。こちらの説明は長くなりますので割愛いたしますが、弊社の場合は神戸市と明石市での事業者登録をしております。
今回ご紹介するのは2年前にご自宅の階段から転落され、入院をしリハビリ後、在宅でご家族の介護のもと生活をされることになり、当時は自宅での入浴は無理だろうと言うことで、浴室はさわらずに玄関・廊下・トイレ・居室に手すりを介護保険を使って取付けいたしました。今回の浴室改修は、ご本人様の努力とご家族の協力もあって、ご自宅での入浴も可能になりましたので、浴室の改修をご希望され、弊社にご依頼を頂きました。前回の工事で介護保険で費用は支給されたのですが、まだ余っておりましたので今回も申請をしての浴室改修工事となりました。
以下、着工前・工事中・竣工時の状況です。
着工前の浴室と脱衣場(洗面所)です。
今回の介護保険の対象部分は床です。床材を滑り難いものに変更することで対象工事となります。今回は残りの支給額のこともあり床材の変更のみで申請しましたが、浴室の場合は、出入口の段差解消や扉の変更、手すりの取り付け等も対象となります。床材の変更といっても在来浴室ですので解体しシステムバス(ユニットバス)に変更する工事になります。
解体の様子です。
浴槽を撤去後(左)浴室の床や壁、天井もハツリ取ります。これは1日仕事です。あたらしいシステムバスが組み立てられる寸法までひたすらハツリ。ハツリ取ったごみは人力で搬出し2トンダンプがいっぱいになります。
今度は脱衣場側の解体です。脱衣場側は自費工事です。
脱衣場側の腰高までのタイルを撤去します。今度はクロスで仕上げますので必要な工事となります。
照明器具の移動や浴室換気扇のダクトを脱衣場側で仕込みます。
脱衣場の天井を破り照明の配線(ダウンライト)を仕込み、浴室側にダクト用の穴あけが出来ない為に大きく開けた穴からダクトの穴をあけてダクトを通しています。(上左) 洗面化粧台のコンセントを仕込みました。(上右) 洗濯機用のコンセントも窓下にありましたが少し高い位置に移動させています(下)
土間コン(モルタル)打設後
給排水配管を仕込んでから土間コンを打ちました。浴室入り口の管柱の根本は浴室からの水が回って腐っておりましたので接ぎ木で補修しましたが、後にシステムバスの開口がかぶってきたためもう一本柱を抱き合わせます。
システムバス組立。
まず床組み。すでに出入口の柱にドアがかかることが解っております。
浴室出入口の管柱は最終的にこのような納まりになりました。
では、いよいよ竣工時の写真です。
新しくなった浴室です。アクセントの効いたピンクのタイル調の洗い場側の壁です。
介護保険対象部の床です。滑りやすかったタイルからの変更です。(左) 浴槽横に手すりを取付け。シャワースライドバーは縦手すり兼用となります。こちらも介護保険対象工事ですが今回は自費工事ですのでは対象部分としては計上しておりません。(右)
ヒートショック予防と衣類乾燥、換気扇を兼ねた浴室暖房換気乾燥機です(左) 浴室入り口から洗い場まで横手すりを取り付け(右)
浴室出入口は折れ戸です。脱衣場との段差は0です。こちらも介護保険の対象となる部分です。
続いて脱衣場側です。
こんな感じで仕上がりました。クロスとクッションフロアーはご本人様が選ばれました。洗面ユニットは再利用です。
では、おさらいでビフォアー、アフターです。
ビフォアー アフター
ビフォアー アフター
一週間の間ショートスティをしていただき、工事をさせていただきました。これで少しでもご自宅での入浴を楽しんでいただけるかと思います。ありがとうございました。