高圧受電方式変更工事

スタッフ1号です。県下の緊急事態宣言発出の中、大工事をさせていただきました。

今回はキュービクル(筐体型高圧受電設備)への受電方式の変更工事となります。「出迎え方式」からの変更で、構内柱を建てて、高圧気中開閉器方向性(PAS)を設置する「構内第一柱方式」で高圧ケーブルでの波及事故を未然に防ぐ工事となります。専門的にはなりますが、あらかじめ簡単に説明をいたします。

出迎え方式=電力会社が所有する屋外配電線の電柱から、需要家側が直接高圧ケーブルを利用して受電する。

構内第1柱方式(今回の工事)=キュービクルの手前に構内電柱を建てて高圧機中開閉器(PAS)を設置し電力会社からの電気を受電する。

分かります?

ちなみに出迎え方式は関西電力管内のみに許される工事のようです。デメリットは高圧ケーブル側で事故が起きた時に波及し地域停電を発生させてしまい、責任問題にもなりえる事です。

さて、今回の工事は家具販売の大型店舗のキュービクルを管理する電気主任技術者様より、キュービクルの老朽に伴い高圧ケーブルの引込方式の変更を奨められた店舗様側から、賃貸オーナー様に改善への要請があり、弊社お得意様であるオーナー様から改善工事を弊社にとご依頼くださいました。

では、工事の様子です。あいにくのお天気です。

12Mのコンクリート柱を積んだユニック車が到着し、搬入作業に入り無事に搬入を完了。

建柱するアスファルトをカッターで切ってから右の建柱車で掘削から建柱まで一気にやってしまいます。

残念ながらスタッフ1号、他の現場があり、ここで1時間ほど現場を離れました。

現場に戻ると、すでに建柱作業は完了しておりました・・・

接地工事です。連結の打ち込みアース棒をひたすら打ち込み(この作業スタッフ1号も経験してますが、なかなか大変です)ここでかなりの雨が降ってきましたので正確な接地抵抗(高圧の場合A種で10Ω以下)が出ないと困るので翌日に続きの工事となりました。

翌日、接地工事を完了し斫ったアスファルト部分をモルタルで補修し建柱と接地工事は完了いたしました。ここまでは高圧受電変更工事の準備工事となります。

店舗の休業日に本番の高圧ケーブル受電の変更工事です。関電柱のAS(簡単に言うと電柱に付いた大きなブレーカー)を関電様に開放してもらい停電させます。

上が高圧気中開閉器方向性(PAS=簡単に言うと電柱に装柱した高圧用の大きな漏電遮断器)です。これを電柱に装柱します。

PAS装柱前にPASや高圧ケーブルを配線するための支持金具の取付をします。

その間にPASのケーブルの端末処理を済ませます。

PASの装柱作業です。トラックの荷台にPASを一度積んでから高所作業車に移動させます。ちなみに重量は50キロですから結構重いです。

PASの装柱作業と装柱後です。

今度はキュービクルからPASまでの高圧ケーブルの布設工事です。古いケーブルに新しいケーブルをつないで

PASとキュービクル間のケーブルを布設していきます。

 

メッセンジャーでしっかりとケーブルを張っています。

キュービクル側の高圧ケーブルの端末処理です。熟練の職人さんです。後継者が少ないと言ってました。

PASの二次側の接続工事も完了しました。

キュービクル内のケーブル工事も終えて、電気主任技術者様による耐圧試験や絶縁や接地抵抗と地絡継電器の試験を行います。

特に耐圧試験は通常かかる高圧6.6kVの倍の13kVで試験をかけます。万一の事がありますので電気主任技術者様よりキュービクルから離れるように指示されます。

耐圧試験完了後、見ていたかの様に関電(きんでん)さん到着。

PASの一次側配線の繋ぎ込みを終えて、キュービクル内のVCT(計器用変圧器と変流器を一つの箱に組み込んだもので、電力量計と組み合わせて、電力測定における変成装置として用いる機器のこと。引用) も交換し一次側と二次側の接続を狭い所二人で作業。VCTは老朽で新しくしてもらいましたが、これはキュービクル内の唯一の関電さんの財産です。

今回のキュービクル高圧受電方式の変更工事も竣工です。

最後に開放していた関電柱のASを投入して

キュービクルに高圧が流れました。

この後、電気主任技術者様がPASの動作確認や地絡継電器の設定などをして、今回の工事は完了いたしました。

高圧って何度しても大変です・・・

ご依頼をいただいたオーナー様はじめ、電気主任技術者様ありがとうございました。またいつも高圧工事をお願いしているT電設様ご苦労様でした。事故もなく無事に終えたこと感謝いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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